永平寺で過ごす2日間ー参籠ー①

2019年9月17日

6月16日17日と、瑞世随伴(瑞世の御供)として永平寺に行きましたが、私は儀式以外は参籠に来ていた方々と同じように過ごしたので、少しご紹介します。

(参籠とは、永平寺で過ごし、修行の雰囲気に触れることです)

 

まず、14時ころ上山して受付をし、参籠参加者はここで修行道場での過ごし方や廊下の歩き方、東司(トイレ)での作法などを教わったようです。

私は瑞世師と別になり、部屋で気持ちを落ち着かせてから、本山内を見学しました。

この日は大雨だったのですが、雨の音や雫がさらに趣を深めて、真から清められていく感じ。

 

さて、17時10分、集合して薬石に向かいます。

曹洞宗では生活のすべてが修行ですので、食事をいただく部屋に向かうところはもちろん、食事にも細かな決まりと作法があり、教えていただきます。

そして、いよいよ食事を受けるときに、反省と感謝等に関する5つの教えである「五観の偈(ごかんのげ)」をお唱えし、食事が始まります。

食事中は言葉を発してはいけません。

この食事のためにどれだけの人たちの労力が尽くされているかを思い、自然の恩恵に感謝し、心身を生かす良薬と考え、人間として生きることをまっとうするためにいただくのです。

食事をしっかり味わいつつ、作法に従った器の持ち方や食べ方、箸の置き方、一緒に食べている方とのペースに注意をはらい、早すぎず遅すぎず、丁寧に食べます。

(もぐもぐもぐもぐ・・・)

最後には箸をすすいだお茶もいただきます。

(実際の修行の食事からしたらかなりのご馳走です)

シンプルですが、丁寧に作りこまれた本当の精進料理で、実際、どれを食べてもとても美味しいです。

実は食べるのが遅いため、薬石が苦手な私・・・。でも、すごく大切なひとときなので、一緒に参加させていただき良かったと思います。

続く

↑「雲版(うんぱん)」

修行道場の台所である庫院(くいん)に掛けられています。食事や坐禅の終わりなどの合図に打ち鳴らされます。