永平寺で過ごす2日間ー参籠ー②

2019年9月17日

緊張の食事のあとは、曹洞宗の修行の核である坐禅の時間です。

坐禅がしやすい締め付けのない服に着替えて向かいます。

(ジーパンやぴちっとした服は、痛くなったり苦しくなったりするので坐禅に集中できないので、向きません。もちろん、スカートではなく、ズボン。)

道元禅師は、坐禅をするための環境作りなども細かく伝えています。

暑すぎず寒すぎず、明るすぎず暗すぎず、坐蒲は自分の坐りやすいように形や位置を整えて、自己を見つめることに集中できるようにするのですね。

一般人は修行僧のように僧堂には入れませんので、吉祥閣(一般人を対象とした研修道場。参籠ではここに泊まります。)の一室で坐禅をします。

作法を教わり、静かに坐ります。

時間はどれくらいだったでしょう?わかりません。

長いようで、あっという間。

自分のために大事に坐ることができたかな。

その後は別室で、永平寺の修行がどのように行われているかの映画を観ました。

そしてお風呂。

浴室の前には、入浴のとき水により悟りを開いた跋陀婆羅菩薩(ばっだばらぼさつ)が祀られています。

浴室に入る前に「沐浴身体(もくよくしんたい) 当願衆生(とうがんしゅじょう)心身無垢(しんじんむく)内外光潔(ないげこうけつ)」という開浴の偈を唱えながら、三拝します。

浴室の中でももちろん無言です。

有難く体を清めて、跋陀婆羅菩薩さまにご挨拶をして、部屋に戻りました。

そうこうしているうちに20時を過ぎ、緊張と長旅の疲れから眠気がやってきました。

明日は3時50分ころ起床、だけども儀式があるので身支度のために3時半には起きなければ。3時半で間に合うのかな?寝坊したらどうしよう!などとさらに緊張しながら布団に入り、21時、開枕の合図がコンコンと鳴り、消灯。

雨の音に心地良くなりながら眠りについたのでした。

続く

↑永平寺は七堂伽藍といって、山門(さんもん)、仏殿(ぶつでん)、法堂(はっとう)、僧堂(そうどう)、庫院(くいん)、浴室(よくしつ)、東司(とうす) の7つの建物(赤い印のところ)が回廊でつながっています。ここで、修行僧が道元禅師によって定められた厳しい作法に従って禅の修行を営んでいます。