足袋と襪子
お寺の中にいると当たり前のことが、世間では当たり前ではないということがあります。
私が最初に目の当たりにしたのが、足袋と襪子です。
皆様、足袋は知っていることでしょう。よく着物などを着たときに足に履く白いものが足袋です。
特徴としては、足の親指と人差し指の間が割れていて、その他は一つになっていることです。
お寺では、これとよく似た形をしている襪子を履くことが多くあります。
襪子とは「べっす」と読みます。
この襪子の特徴は、足先が割れておらず靴下のように一つになっていることでしょうか。
上の写真で言うと、足先が割れているのが足袋。割れていないのが襪子です。
あまり襪子は見たことがないかもしれません。
この二つの違いは見た目はもちろんのこと使用する場所や用途が違います。
実は、この用途の違いが私にはわかり難かったのです。
私が安居中(お寺の修行道場で修行している時)に言われたのが、
「襪子はお寺の本堂を汚さないように履くもの」
「足袋は自分の足を汚さない為に履くもの」
と言われました。わかり易いようなわかり難いような・・・。
私は、本質的な事が理解できなかったので
「襪子はお寺の中にいる時履くもの」
「足袋はお寺の外に出かける時に履くもの」
と解釈して過ごしてきました。
これで取りあえずの使用するタイミングは間違えはなかったようです。
安居を終了して、帰ってきた後にこの「足袋と襪子」について調べてみると
「よくわかる 曹洞宗の行事作法(青山社)」によると
『「本来はやはり防寒用であったが、これをつけて礼佛、礼師することは礼を失することとして行われなかったが、後にはかえってこれが逆に襪子をつけて礼佛することが礼儀とされるようになった」(佛具大辞典)』
とあり、私は「えっ!!!、それじゃ私の解釈は現在では合っていたけど、本来は間違いだってこと!!!」とびっくりしてしまいました。
本来、襪子とは中国から伝わってきたもののようです。中国では、靴を履く文化がありその靴の中に指股のない靴下を履いていたことが名残となり襪子となったようです。
日本では、草鞋や草履、下駄を履き、これらは足の親指と人差し指の間の股に鼻緒を挟んで履く形の為、割れている足袋というものが使用されたようです。
これによると、「もともと履物の違いにより、足袋と襪子が生まれてきている。そして、どちらも履物の中に履くものである。」ということになります。それでは、私が気になっていた足袋と襪子の用途が違いはどうなるのか。
解決しないで終わってしまいました。
本来、どのように使用して行くのが正しいのか、詳しい方おりましたら、教えてください。
ディスカッション
コメント一覧
8月始め施餓鬼がありお参りしました。その時お坊さん方が股のない足袋を履いているのが気になりました。
股がないので履き物を履く時どうするのだろうと考えていました。
「べっす」と言うのですね。ありがとうございました。
曽田タカコ様
お読みいただきありがとうございます。
お出かけするときは足袋を履きます。その為、「べっす」と「足袋」都度履き替えたりしています。
今後ともよろしくお願いいたします。