きちんと終わらせる

福田寺で20年近く東堂が綺麗に咲かせていた蓮でしたが、体力気力、野生動物の来訪、暑すぎる夏などときっかけは色々とありましたが、今年を最後に無くすことにしました。

きっかけはどうであれ、終わらせるという決断をするのはなかなかの強い意志が必要で、きちんと閉じるという作業もまたエネルギーがいることです。

鉢の中には蓮の根がたくさん入っているだけでなく、水と泥でけっこうな量が入っていて水仕事にもなりますから、寒くなる前に片付けることにしました。

ひと鉢ひと鉢中身を出すのも一苦労でしたが、さらにそれらを広いところへ運び、これまでの感謝を込めて中も外もきれいに洗いました。

全部で26個、鉢自体も重いのでわりと重労働になりました。

『終わりよければすべて良し』とか『有終の美を飾る』などの言葉がありますが、 東堂が最後に鉢をきれいにしている様子は、まさにそれの体現でした。

きちんと終わらせることで、ひとつの執着から離れて心が自由になることができます。

そして、ポイッと投げたのではなく感謝と愛情をこめて丁寧に終わらせたなら、気持ちよく次へと歩み出せるのだと思います。

これは大きな物事だけではなく日々の過ごし方にも言えることだなあ、とか考えながら後片付けをしました。