福田寺の働き者

福田寺には黒猫がいます。

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2019年の夏の終わり、住職が墓地で見つけたのが出会いでした。

住職は「黒猫・・・黒猫・・・」と毎日つぶやいていました。

少しづつ近づけるようになると、どこをさまよってきたのか傷だらけなのがわかり、板のようにやせこけでかわいそうだったので、ダンボールハウスを四良次様の御堂の下に作ってご飯をあげました。

黒猫はそのうち気が緩んだのか、玄関からひょっこり「はい、どうも、おじゃましますよ」という感じで入ってきたところを捕獲。

動物病院で検査と虚勢を行い、その哀愁漂う姿に寺へ迎える覚悟を決めた住職は、四良次さんにちなんで「五良丸(ごろうまる)」と名付けました。

五良丸は始めこそ中に入るのをためらったものの、冬の寒さに負けたのか寺務室に入ってくるようになり、それからは見るもの食べる物初めてといった感じでどんどん人間との生活になじんでいきました。

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さて、彼が来てからというもの、ネズミに本堂の供物が荒らされたり、庫裏の中でネズミに遭遇したり、物陰にネズミの糞を見つけてがっくりしたりということがが全くなくなりました。

お坊ちゃんの先住猫は狩りが苦手なためネズミも入り放題でしたが、五良丸はかなりの腕前のようで、ネズミだけではなく野良猫の侵入も許さず、福田寺内の治安は格上げされました。

時にはマムシも倒し、住職に謹上することも(嬉しくはない)。

毎日境内の見回りをして、必要であれば狩ってます。

人間のために爪を切ることも嫌がらず、爪が鋭利でなくとも狩りには影響がないパワーを備えています。

とにかく、頭を悩ませるネズミ問題には猫の手を借りるのが一番!

働き者の五良丸は福田寺にいる私たちにとってペットではなく、共に寺を護る者です。

見かけることがございましたらぜひ、五良丸に励ましのまなざしをかけていただければ幸いです。