仏様に導かれて

これは、若方丈が修行から使っている経本。写真ではわかりずらいですが、ぼろぼろです。

もとはこれです↓

修行では仏事はもちろん、食事から剃髪、就寝等にいたるまでの作法など、さまざまなことを覚えなくてはならないのですが、その一つにお経の暗記という壁があります。

若方丈はお寺の生まれではないので、日常でお経を耳にすることはなかったのと、曹洞宗も初めてだったこと、上山当時30代半ばという年齢もあり、初めて知る言葉の暗記はとても大変だったそうです。

3月に上山して、8月14日の合同供養にはなんとか一時帰省したい!という思いですが、暗記ができていないと他出の許可がおりません。しかし修行中は自分の時間はないので、起床時間の30分前にこっそり起きては暗いところでぶつぶつしていたそうです。何回もチェックに挑みなんとか合格した8月13日に福田寺に戻り、休むこともなく嬉しそうにお盆の仏事に終始しました。今となっては懐かしい思い出です。

あれから4年、若方丈は経を読み、寺のことをしている時が一番生き生きとしています。

毎日檀家さんや地域のこと、出会った人たちのことを思い、考え、祈っています。

修行道場である僧堂に入る時、門の前で「何をしに来た!?」と厳しく問われるそうですが、『導かれてきた!』と答えたそうです。

この人は本当に、仏様に導かれてあの門を通って来たのだと、

運命とはこういうものなのだと目の当たりにしているところです。