運命を動かす人

2019年12月25日

人は誰もがかけがえのないひとりの存在であり、この世の中に関係し続けます。

いつ、誰が、誰と、どのように自分の人生に関わるか想像もつきませんし、気づかないでしまうこともありますが、振り返るとあれがきっかけだったな!とわかる時があります。

私は小さなころから、四良次講のおじいさん方から四良次様の話を何度も聞いていました。おじいさんたちはお正月には参拝客の方々にも語り伝えていました。

18歳の四良次が柳津村のために命がけで正義を貫いた話です。

おじいさんたちは優しく話してくれるので、現実として受け止めるというよりは、昔話のイメージで聞いていました。

皆さん高齢になってだんだんお話してくれる方もほとんどいなくなってきたころ、

ある方が元旦に来て、私に四良次様と柳津村の出来事を、まるで目の前で起こったように話してくださいました。

そのとき、四良次様と柳津村の出来事が、私の中でしっかりと現実のものとして立体化されたのです。

息子があと2年で18歳になる頃で、四良次様とその母親の情景が重なり、余計に心に響いたのだと思います。

その方がまとめていた様々な資料や新たに調べたことによって、精神的なことだけではなく、当時の地域社会の状況も関係していたこともわかり、供養はもちろんのこと、この歴史をきちんと伝えていくことが大事なのだと改めて気づかされました。

自分が語り継ぐ番になっていたんですね。

ですから、訪れた人にはできるだけお話をさせていただき、インターネットでの発信も始め、四良次様にあやかってたくさんの人が自分の力を信じて歩むことができるようにとご案内してきました。

そして繋がり繋がり、やってきたのが今の若方丈です。

四良次様のもとに訪れ、運命が動いた一人です。

その後四良次延命地蔵尊堂を修復するなど、場を整えることもできるようになってきました。

あの日あの時、あのタイミングで四良次様のことを話してくださったことで繋がる、さまざまな出来事。

その影響は未来へと続きます。

あの方は運命を動かした大切な存在だったのだと、改めて実感しているところです。