おいしくなれ、ごま!!
今日は、私が雲水時代のお話しです。
雲水とは、修行僧のことを指します。なので、雲水時代とは修行をしているころです。
修行中は、朝早くに起きて、坐禅をし、朝課をし、食事をいただき、作務(清掃作業など)をするということを繰り返していました。
その一つ一つが修行なのです。
食事中も一切私語をすることはなく、声を発するとすれば「偈文」と言われる短いお経のようなものをおとなえするくらいです。修行をしていると食事が楽しみの時間の一つになってきます。食べることの喜び、ありがたさ、様々なことを感じながら味わっていただきます。
その為、食事を作るのはとても気を使います。
まずい物を出したら、皆に申し訳ないと思うようになります。
食事を作ることも修行の一つなので、雲水が行います。
私も、食事を作りました。
朝は、粥、漬物、ごまの3つです。たったこれだけ?と思われるかもしれませんが、この食事が楽しみの一つとなるのです。
粥は水っぽくなりすぎないように、そして固くならないようになど気を使います。
漬物は塩辛くならないように塩分を洗い流します。
そして、結構難しいのが、ごまです。
ちょうど昨日、「マツコの知らない世界」でやっていましたが、ごまもちょっとしたことで味が変わってしまうのです。
ごまはすり胡麻にするのですが、先ず初めに、焦げない程度に炒ります。
そして、適度に塩を入れ、すりつぶします。
このすり方一つで味が変わります。
力を入れず、時間をかけてゆっくりすっていくのがコツです。
これを力を入れてごりごりすってしまうと、油が出てきて、ベトベトとしたすり胡麻ができてしまいます。
力を入れず、時間をかけてゆっくりすっていくとさらさとしたすり胡麻が出来上がるのです。
このさらさらとしたものが出来上がれば、皆が楽しんでくれる味になるのです。
昨日、マツコの知らない世界でごまを特集していたので、雲水時代を思い出しました。
あと、曹洞宗の青年会で、典座という食事をテーマとした映画が作られ、カンヌに出品されるそうです。
そちらも楽しみにしていてくださいね。
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