読み聞かせ絵本「ウェン王子とトラ」
学校で読み聞かせをするときに気にするのが、「絵」。
どんなに素敵でも、見えにくいのでは面白さも半減するので、できるだけ見えやすいもの、読み手も字が見えるもの、というところから選びます。
そんな中、この『ウェン王子とトラ』の魅力は何といっても絵。
始めは見やすさで手に取ったんだけど、ページを開くごとにのめりこむ感じです。
物語は、夜ごと村を襲うトラに悩んだ王が、トラを鎮めるためには王子をトラに差し出すことだ、と占い師に予言され、王子をトラの住む森に置いてくるところから始まります。
どうしてトラは村を襲うようになったのか。
王、王の妃、トラ、そして王子。
それぞれの気持ちが流れてきます。
途中でハンカチを取りに席を立つ子もいました。
作者のチェン・ジャンホンは中国の伝統的水墨画の手法を用いる画家とのことで、さすが。
感情が絵になるってすごい。
大人になると平常心でいるように心がけるからか、心の底から湧き出る感情が出にくくなったな、と感じることないですか?
これをふいに出させられる絵本だと思います。
起こったことは受け入れ、未来へとつなぐ王子。
ぜひ、読んでみてください。
ところで、読み聞かせは「絵本セラピー」として大人の間でも広がっています。
いつかきんふくでも、癒しの読み聞かせ会を・・・。
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